トップページ > コラム > 社内の片づけない人はどうする?デスク周りの整理整頓を促す方法とは?

 

企業研修にお伺いしていて、事務職の女性からでる質問は

「言っても片づけない人は、どうすればいい?」

という話です。

 

 

本人に聞いてみないと分からないというのが正直なところですが、

大概は「面倒くさい」というのが多いでしょう。

 

あまりに整理整頓を放置してしまって(周りから言われるくらいですから、かなりの量のはず)、

当人は手の付けようがない。だから、「これをやれと言われても。。。今の仕事も沢山あるし、後回しでいいや。」

そんな感じでしょうか。

 

 

仕事効率という点からみれば、圧倒的に片づいたデスクの方が仕事が捗るはずです。

企業は利益追求をしなければなりませんから、モノが多すぎて探しモノばかりしていたら、無駄に時間分のコスト(給料)を掛けていることになります。

そんなことはしていられませんから、整理整頓をしなさい!と言われるのは当たり前ですし、本人だけの問題に終わりません。

山盛り状態は、周りの人たちのストレスにもなりますし(だから事務の女性から言われるのです)、その山が雪崩を起こしたら、他のデスクにも影響を及ぼします。

さらに、見た目からクライアントへの信頼にも関わります。

 

アメリカでは、ダイエットできない人は自己コントロールも出来ないのだから、仕事も出来ないよね!と烙印を押されます。

だからこそ、幹部候補の人たちは、ダイエットに励むのです。

同じように考えれば、デスク周りの整理もできないのに、大切な案件の判断が出来るのか?

そういう考え方も出来ます。

整理は、要るか要らないかの判断の積み重ねだからです。

出来る人ほど、1枚の書類の判断は早いものです。

 

 

 

 

では、どうして捨てずに大量の資料を抱え込むのでしょうか?

 

 

一つは、会社のルールが出来ていないことです。

明確な判断基準がマニュアルにあれば、社員は自分の頭を使わなくて済みますから、簡単に処分ができるようになります。自分の責任にならないからです。

しかし、マニュアルのないものについては、どうしても「何かあったら困る。」という意識が働くので、「とりあえず取っておこう。」となります。

前任者の引き継ぎ書や、滅多に使わない取引先の古いカタログ、終わったプロジェクトの経過文書など、使用することがあまりなくなったか、ほぼ使わない情報だったりします。

 

使わない情報は処分。

情報は新しいのが命。

 

これだけ時流が速く流れていくのに、古いものにこだわっていては、企業は生き残れません。

まずは、ルール作りをしましょう。

 

 

社員研修をすると、いかに自分たちのやり方に無駄が多いのかわかります。改善しないと同業他社との競争にも関係することに気づきます。

普段、経営と自分たちの仕事を結びつけている社員は、あまりいません。毎日一生懸命仕事をしていれば、収入を得られると考えている人は、意外と多いでしょう。

しかし、会社の景気が悪くなれば、社員の収入にも響くはずです。その視点を忘れてはいけません。

 

 

片づけない人ほど、整理整頓研修に出てきません。自分は関係ないと思っているか、やりたくないから参加すれば「やれ」と言われると思っています。

そんな方を巻き込むには、心理作戦でいきましょう。

 

 

面倒なのは、自分一人ですると思っているからです。手伝ってもらえるとすれば、考え方も変ります。

なぜなら、途方に暮れているのは、量だけの問題ではなく、やり方も分かっていないからです。

優しく回りの女性が、「一緒に片づけますよ~!」と言えば、悪い気はしないはずです。

ただし、声のトーンや、表情は優しくしてくださいね。これはとても重要なことです。押しつけっぽい感じでは受け入れられません。女優になった気分で話しかけてください。

 

 

男性だったら、頼りがいのある兄さんみたいな感じでしょうか。「お前のことを放っておけないから、一緒にしないか?」はどうでしょう。

上司の場合は、トップダウンで言ってもらうことです。業務命令であれば、動かざるを得ないですから。その際にも、ただの押しつけではなく「君の仕事に期待しているんだよ。」の言葉は忘れずに。

 

マイナスのことは一切言いません。本人も片づけないといけないと分かっているのですが、ちょっとしたプライドとか意地があるのです。そこを崩さないことが大切ですね。

中国はメンツが大切だと言いますが、同じような感じです。

先日、1000日投獄されている弁護士を救う活動をしている方も、共産党のメンツを立てることが大切と言われていました。

中国と一緒にする必要はないのですが、自尊心を傷つけてしまうと、二度と聞く耳を持ってもらえませんので、計画は周りの人も含めて綿密に立てましょう。

整理するための場所(会議室)を取っておくことも、その一つです。

 

 

また、全部いっぺんにしようとすると失敗します。

エリア分けをし、一番減りそうな部分だけを取り出します。

減って綺麗に整理されたら、あとは褒めましょう!

 

「さすが!綺麗になりましたね。」

「気持ちがいいですね。」

「判断、思った以上に速かったですね。」

「できたじゃないですか。すご~い!!!」

「○○さんのそんな一面、知らなかった~。」

「素敵!」

うんちくが出れば、「そうなんですね!物知りですね。勉強になります。」

 

 

言いずらいという人もいるかもしれませんが(笑)、この際いいのです。おだてれば豚も木に上るのですから。

とにかく、モチベーションを上げるような言葉がけをしましょう。

これが第一歩だからです。徐々に判断のハードルは上がっていきますから、始めは心地よくなってもらいたいですね。

 

 

男性は、「さすが!」「知らなかったです!」「すご~い!」「素敵!」「そうなんですね!」という言葉に弱いのです。

褒めの「さしすせそ」と言います。「せ」がないですね。

「センスがいい。」これは使えたら使ってください。ちょっと難しいかもですが。

 

 

第一歩が終わったら、お手伝いした人だけでなく、周りの人もその変化を褒めてくださいね。

二歩目は、始めより声掛けがしやすいはずです。

まずは成功体験をさせること。ここから始めてみましょう。