研修で、お困りごとをお聞きしていた時のことです。
ある男性が、「図面を入れる所がなくて、困っている。これからの案件なので折りたくない。結局デスクの上に置いたまま。」とのこと。
図面用のキャビネットがあるわけでもないので、広いスペースといえばデスクの中央の引き出し。
「中央の引き出しには入らないでしょうか?」とお聞きすると、文具類が入っていて一杯だと言われます。
この話から、デスクの使い方が分かっていないことが判明しました。
日々なにげなく使っているデスクですが、入れるモノと場所は決まっています。文具なら、右上段になります。
前回の記事(オフィスの整理はデスクから)でも書きましたが、余計なものを何でも入れていると、あっという間にゴチャゴチャ引き出しが完成します。
さらに中央の引き出しは、何を入れるかというと、
何も入れません。
え!入れない?
はい、空のままです。
そう、通常は空のままです。
この高さのあまりない広い空間は、離席時にデスクの上にあるものを一時退避させるための空間です。
ですから、中にモノが入っていてはNGなのです。
ただし、長い物差しなど、文具の引き出しに入らないものは、こちらでよいでしょう。
この話は、社員の皆さんには衝撃だったらしく、「そもそも使い方が間違っていたんだ!」ということになりました。
そのため、引き出しを一旦整理していた社員も、中央の引き出しを空にすべく、再度挑戦されていました。
これは、研修が終わった後の光景です。
その後2日経って、どうなったかもう一度お尋ねすると、かなりの社員が引き出し整理をされたとのことでした。
必要性を伝えるということが、どれだけ大切かがわかります。
私は総合商社に勤めていましたので、同じような部品、商材を扱っているメーカーさんが来社します。
来客時にお茶を入れに離席をしたときに、デスク上に価格が載っているようなものを置きっぱなしにすれば、勝手に帳面を開ける社長もいらっしゃいます。そこまでではなくても、背後から急に「よ!元気!!」とか声を掛けられると、飛び上がるくらいビックリします。そして、パタパタと帳面を閉じるわけです。いくら関係会社とはいえ、仕切り価格が分かってしまうのはマズいわけですね。その時は、中央の引き出しに入れてから離席(お茶入れ)をするということをしていました。
これは先輩に習ったわけでもなく、自然とそうならざるを得ない状況だったわけです。
必要性があるところに理論が付いてくる。
そんな風に私は考えています。理論が先でも同じようですが、やはり体得したものは忘れることがないので、絶対放置するということは起こらないのです。
研修は何のためにあるのか?と考えると、やはり体得できる場があるとないとでは、結果は大きく変わると感じています。
次回は材料の棚の配置換えを、使用頻度と動線を考えながら変えていくことをしていきます。
すでに棚の位置は、社員同士で考えて、使いやすい場所に移動をしてくださっています。当初の図面と異なっているのですが、コンサルティングでお伝えしたことを考慮し、再度変更をしてくださいました。
一番分かるのは、使っている方です。どのような考え方をし、どのように移動したら効率が良くなるのか?をアドバイスすることで、社員が考え、社員自身が動く。
これが維持継続には大切なことにつながっていきます。
若いリーダーは、ご年配に配慮しながら上手に進めていらっしゃいます。社長様のサポートもあってのことなので、大変ありがたいと感謝しています。
ありがとうございます。
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