トップページ > コラム > ワークライフバランス 改正育児介護休業法取得者の男性談

育児介護休業法が制定されても、男性社員が取得する率はまだまだ低い。

出生率の低下が進む中、圧倒的に働く人口が減っていくのは目に見えている。今まで対策をとってこなかった国の責任も重いと思うが、男性社会を維持し続けようとしてきた企業の姿勢にも問題があるだろう。人口の半分が男性であり、女性である。その中で出産という大事業を行う女性が働きやすい環境を作るのが当然ながら求められている。そこででてきたのが、女性活躍推進であり、育児介護休業法の改正である。

今まで育休をとったという男性の話を、ほとんど聞いたことがなかった。とったとしても、2~3日の形だけで、会社からとってくれと言われて、国へのポーズで終わっていた感がいなめない。

整理収納アドバイザーの講座をしていて、まだまだ男性の受講者数は少ないとはいえ、10年前よりは確実に伸びてきている。整理収納アドバイザー準1級講座で、現在育休を取得中という男性がいたので、話を聞いてみた。

 

お子さんは3歳と0歳。

「よく上司が理解してくれましたね。」と声をかけてみた。

上司の理解がなくて、取りたくても取れなかったとの話は、割とよく聞く。大概は上司自身が男性社会の出世街道の中で奮闘し、今の地位を手にしてきた世代である。男性は働いて妻を養っていくと洗脳されてきたからだろう。しかし、今の世の中は、そんなことを言ってはいられない状況にある。親が長寿であることから、介護も控えている。当然親は夫婦で4人いるわけで、それぞれの親が介護状態になったときに、兄弟のいない人も多い中、誰が面倒を見るのか?ということにもつながる。その前に、まずは子育てができる環境を用意しないと、次の世代が生まれてこない。子育てが大変だから、子供を持ちたくないというディンクスもいる。子供を持ちたくても、経済状況から産めないという夫婦も若い人には多い。それくらい経済的に低い給与体系になっていては、家族など持てないことになる。そもそも結婚できないと言っているカップルもいたりする。

企業は利益の内部留保を今までにないくらい貯めているのに、である。その利益は株主にいき、社員には行きわたらない。要は、金持ちがさらに金持ちになる仕組みが今の経済である。

 

男性の家事参加については、地方の方が高い。

 

参照:「男性育休白書 2021」 積水ハウス(株)

 

男性の家事時間については、切り取る部分でかなり違うなという印象がある。

例えば、厚生労働省の育MENプロジェクトの家事関連時間都道府県ランキングでは、下記になる。

夫の1日当たりの家事関連時間*から分かる男性の家庭進出度

(*)6歳未満の子供がいる夫の1日当たりの家事関連時間(夫婦と子供の世帯,土日を含む週全体の平均)
※家事関連時間・・・「家事」、「介護・看護」、「育児」及び「買い物」の合計
参照:平成28年社会生活基本調査(総務省統計局)

 

平成28年なので、もっと新しいのはないのかと思ったのだが、まったく同じ質問項目になっていないようなので、出てこないみたいだ。

 

 

さて、男性が育休なんて・・・という会社がまだまだ多い中、育休を取得中の男性の会社は、積極的に取ってほしいとのことだった。それでも1週間くらいというのだから、長期の連休くらいにしかならない。

筆者が子を産んだ後、自宅で大量出血をした。夫は何もできずに立ちすくんでいた。男性は血を見ることなど普段はないからだろう。母が転勤先まで手伝いに来てくれていたので、サッサと処理をしてくれたが、あなたならどうしていただろうと考えてほしい。それくらい女性は体に負荷がかかっているのだ。

2022年4月から改正が施行された。企業側に研修(特に管理職)と従業員への周知徹底が義務付けられている。少しでも取得しやすい環境整備が望まれる。

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