トップページ > コラム > 時間はコスト。時間のムダ

2016年も終わりに近づき、「もう1年が終わるのか」「年々早くなる」そんな感想をお持ちの方も多いことでしょう。子供時代は、ただただ集中して物事を進めるために(単に楽しんでいるだけかもですが)、時間という時空を飛び回っています。そのため満足感も高く、充実していることが大人より多いのかもしれません。

ある程度人生を過ごしてくると、人生の先が見えてくることがあります。このままの延長線上でいけば、中間管理職でちょっと大変な思いをしてプロジェクトを推進、成功して会社に貢献できた。無事定年退職して・・・。

地球上に存在している限り、時間という限られた枠を超えることはできません。年々時間の感覚が短くなってきているなら、時間は有効に使わなければ損というもの。限られた人生、「いかに生きていきたいのか!」を考えるのも、大人の楽しみといえるでしょう。

企業に関していうと、そう悠長に言っている場合ではありません。営利企業であれば、存続し続けることが前提です。そこに働く人の生活もかかっています。では企業の中で、時間のムダはどこから来るのでしょうか。

 

職場では、日々営業活動が行われています。その際のムダが、『探し物』という時間のムダです。「あれ、どこにあったっけ?」お世話係の総務関係者には、おなじみの言葉です。先日渡したはずの書類も、見当たらないと言われることはないでしょうか。

1日に探し物を、いったいどれくらい私達はしているのでしょうか。イギリスの保険会社が取ったデータによると、1日10分探し物をしているそうです。私には意外でした。イギリス人に探し物が多いという感覚はありません。いつも整然としているイングリッシュ・ガーデン。そのイメージがあり、部屋の中もスッキリとしていると感じます。実際、世界で活躍をしている日本人にお聞きすると、雑然感は全くなかったと言います。

散らかっているから、探し物が多くなる。これは普通です。スッキリしているイメージのイギリス人でさえ10分探し物をしているのであれば、モノが多い日本では、いったいどれくらい探し物というムダな時間を使っているのでしょうか。

 

例えば、1日10分探し物をしていたとします。

10分 X 100人(従業員数)X 240日 = 240,000分・・・4,000時間

探し物に費やした時間です。

給与は支払われていますから、

4,000時間 X 3,000円 = 12,000,000円

単純な会社の損です。

それだけではありません。
その4,000時間を生産に当てていたとすれば、いったいいくらの売上と利益が上がったことでしょう。

探し物はコストなのです。
探し物をなくし、誰にでもどこに何があるか分かるようにするのが、整理整頓なのです。